特集 医師のウェルビーイング
【個人で取り組むウェルビーイング】
❷個人でできるウェルビーイングへのアプローチ—今日から始める小さな目標の設定
平野 早秀子
1
1ミシガン大学 家庭医療学講座
キーワード:
医師のウェルビーイング
,
やりがい
,
幸福
,
質向上
Keyword:
医師のウェルビーイング
,
やりがい
,
幸福
,
質向上
pp.667-671
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204829
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医師が心身ともに健康でいることは、患者さんのためにも仲間のためにも重要です。元気にやりがいを感じながら楽しく働くための努力をすることに、罪悪感を感じる必要は全くありません。ただ、実際にこれを実現する方法は単純ではなく、決まった処方箋はありません。
私が働く米国でも、医師のバーンアウトの問題は深刻で、家庭医の6割以上がバーンアウトを訴えています。そこで米国家庭医学学会では、医師のウェルビーイングをリードしていく医師育成のためのフェローシップを2021年から始めました。毎年100人の家庭医を全国から募って教育し、10年間で1,000人のリーダー育成を行っています1)。このプログラムでは、医師自身のウェルビーイングと、自分を取り巻く環境の質の向上を図る方法を指導します。個人健康増進計画(Personal Health Improvement Plan:PHIP)では、根拠に基づくウェルビーイングを増進すること、自分に特有な要素や、長期的な人生の目的など、すべてを考え合わせて、小さな目標を決め、質向上のツールを使って実行に移していきます2)(図1)。
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