特集 医師のウェルビーイング
【組織で取り組むウェルビーイング】
❸ヒューマンファクター・人間工学に基づくウェルネスへの取り組み—ロチェスター大学医療センターの実例より
貝塚 幸子
1
,
竹内 優貴
1
1ロチェスター大学 医療センター 家庭医療学講座
キーワード:
ヒューマンファクター・人間工学
,
認知エネルギー
,
エネルギー管理
,
前頭前皮質
,
制御思考
,
辺縁系
,
自動思考
,
認知エネルギー不足
Keyword:
ヒューマンファクター・人間工学
,
認知エネルギー
,
エネルギー管理
,
前頭前皮質
,
制御思考
,
辺縁系
,
自動思考
,
認知エネルギー不足
pp.653-657
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204826
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個人レベルのみならず組織のリーダーが率先して人間工学(HFE)を教える
米国では、医療従事者のバーンアウトが社会問題となっています。筆者はロチェスター大学医療センターの各部署の代表で構成される「ウェルネス委員会」に参加し、そのリーダーである精神科名誉教授Privitera先生から「医療現場におけるヒューマンファクター・人間工学(human factors / ergonomics:HFE)」を学びました。HFEでは有限な認知エネルギーを動力とする人間が働く組織において、いかに認知エネルギーの消耗を抑え、効果的に活用するかという視点に立って、医療従事者のウェルネスをとらえます。バーンアウトを未然に防ぐことができる、持続可能で健康的なシステム(職場)は、良質で安全な医療を安定供給するために不可欠です。またHFEに基づくことで、感情論になりやすい課題に対しても、システムをどう最適化するかという冷静な議論をしやすくなり、一方、個人レベルでは、自己主体感が高まりストレスに対処しやすくなります。
本稿ではHFEの概要と、主に組織レベルの介入方法について、最後に筆者が勤務するロチェスター大学医療センターと同大学家庭医療学講座での取り組みについて紹介します。
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