特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
㉕突然発症の「更年期障害」…!?
德島 緑
1,2
,
多胡 雅毅
1
1佐賀大学医学部附属病院 総合診療部
2佐賀大学医学部附属病院 医師育成・定着支援センター
pp.304-305
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204721
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Case
患者:55歳、女性
主訴:就寝時の寝苦しさ
既往歴・内服:なし
嗜好歴:喫煙歴なし。機会飲酒。甘い物を好み、間食は多め。
最終月経:6カ月前
現病歴:4日前の夕方、犬の散歩中に心窩部の違和感が出現し、5分ほど座って休憩したあと歩いて帰宅した。1時間で違和感は消失したが、同日夜から就寝時に呼吸がしにくい気がしたため、3日前に近医を受診。同院での診察・血液・胸部単純X線・心電図検査に異常はなく「更年期障害」を疑われたが、その後も夜間の症状が持続するため当科を受診した。
身体所見:BMI 22.5kg/m2。血圧103/70mmHg(普段は130/80mmHg程度)、脈拍数60回/分で、その他バイタルサインに異常なし。
重篤感はなく、冗談を交え世間話をできるような状況であった。頭頸部・胸腹部・四肢に異常所見はないものの、本人の不安もあり血液・胸部単純X線・心電図検査を再検した。
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