特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
⑫「蜂窩織炎」かと思ったら…!?
齊藤 琢真
1
,
綿貫 聡
1
1東京都立病院機構 東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療科
pp.276-277
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204706
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Case
患者:77歳、男性
主訴:術後の手指の腫れ
既往歴:心房細動
内服:リバーロキサバン10mg/日、オロパタジン5mg/日、タムスロシン0.2mg/日、ロキソプロフェン60mg/日、レバミピド100mg/日、セファクロル250mg/日
嗜好歴:喫煙なし、飲酒はビール350mL/日
現病歴:9日前、左中指DIP(遠位指節骨間)関節の粘液囊腫の切開を近医整形外科にて行った。2日前に疼痛が増悪したため、同整形外科を再度受診し、手術部位の感染疑いでセファクロルを処方された。受診当日に発赤・腫脹も増悪したため、当院救急外来を受診した。
左中指は手術部位を越えてDIP〜PIP(近位指節骨間)関節まで全体的に腫脹し、色調は暗赤色だった(図1)。疼痛による関節可動域制限は認めたが、感覚障害は認めなかった。患者は、翌日に術後フォローのため近医整形外科を再受診予定だった。
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