特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
③「単なる椎骨動脈解離」かと思ったら…!?
保科 耀司
1
1ユタ大学病院 神経内科
pp.256-257
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204696
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Case
患者:77歳、女性
主訴:左半身麻痺
既往歴:脳梗塞
内服:アスピリン81mg/日、アトルバスタチン20mg/日
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:突然発症の左上下肢麻痺を主訴に、救急外来を受診。症状発症から7時間後のNIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)は2点(左の上肢・下肢の下垂で1点ずつ)。3週間前、他院で非外傷性の「左椎骨動脈解離(V2〜V3)」による左視床の虚血性脳梗塞と診断され、アスピリンが開始されていた。その際の頸部血管画像検査で線維筋形成不全様の所見を認めたことから、「線維筋形成不全」が解離の原因と考えられていた。患者は、頭痛・食欲不振、体重減少も訴えている。当院受診時の頸部血管造影CT(図1)と脳MRI(図2)の画像所見を示した。
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