特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!
【しびれ診療のQに答えます!】
Q7 アルコール性とビタミンB欠乏性ニューロパチーの鑑別方法は?
鎌田 智幸
1
1武蔵野赤十字病院 神経内科
キーワード:
アロディニア
,
アルコール摂取歴
,
small fiber neuropathy
,
脚気
Keyword:
アロディニア
,
アルコール摂取歴
,
small fiber neuropathy
,
脚気
pp.171-173
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204155
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
CASE
患者:68歳、男性。
主訴:両手足のしびれ、痛み。
現病歴:62歳時から両足の先端の冷感を自覚。夏でも冷たく感じて布団をかけていた。両手掌に汗をかかなくなっていた。65歳頃から足先のピリピリ感が出現し、67歳で両手両足先が包まれているような痛みが現れた。ビタミン薬を内服するも改善なし。68歳時にはしびれや痛みが強くなり、神経内科を受診。
既往歴:痛風・高血圧・脂質異常症(56歳)。
内服歴:アロプリノール、ロサルタン、ロスバスタチン、ベンフォチアミン・B6・B12配合剤。
生活歴:飲酒:若い頃からの大酒家、日本酒4合/日、ウイスキーボトル1本/4日。食事:3食/日、偏食なし。
身体所見:意識清明。血圧105/65mmHg、心拍数75回/分 整、呼吸数14回/分、体温36.8℃。るい痩なし。神経学的所見としては脳神経に異常なし、運動系では筋力低下なし、感覚系では両下肢足関節より遠位にビリビリとする異常知覚、両下肢で痛覚過敏、温度覚・触覚は軽度低下、振動覚は足関節外果で右9秒、左5秒、橈骨遠位端で右17秒、左18秒、位置覚正常。深部反射は両上肢と両膝蓋腱反射は低下、両アキレス腱反射は消失、病的反射なし、協調運動障害なし。歩行起立正常。両手掌の発汗低下。起立性低血圧および膀胱直腸障害は見られず。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.