特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで
【コラム】
❶COVID-19罹患後症状とMUS
大塚 勇輝
1
,
徳増 一樹
1
,
大塚 文男
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.1363-1364
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204037
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Case
患者:30代、男性。会社員。
現病歴:発熱や咽頭痛でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)を発症。2〜3日のみで軽快し、10日間の自宅療養をもって隔離解除となったが、その頃から労作に伴って増悪する倦怠感と呼吸困難感が目立つようになった。症状の遷延により、罹患前同様の勤務が不能な状態が1カ月以上持続したため、当院を紹介受診した。
炎症・自己免疫系や内分泌・代謝系も含めた血液検査、胸部CTや呼吸機能検査では、特に症状の原因を説明できるものはなかった。呼吸リハビリテーションの必要性とともに、無理せず休養をとることが症状を増悪・遷延させないうえで重要であることを伝え、勤務先に提出する診断書を作成した。補剤を中心とした漢方薬治療も行うことで、数カ月かけて症状は改善傾向にある。
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