特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況
【セッティングⅡ】入院診療
—オーバービュー—「入院診療」における診断エラー
栗原 健
1
1名古屋大学医学部附属病院 患者安全推進部
キーワード:
アンカリングバイアス
,
早期閉鎖
,
入院診療
,
集中治療室
Keyword:
アンカリングバイアス
,
早期閉鎖
,
入院診療
,
集中治療室
pp.567-570
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203718
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
患者:62歳、男性
現病歴:前日夜間に、腹痛のため救急外来を受診した。明らかな閉塞起点はなかったが、腸管拡張しているようにみえたため、暫定的に「麻痺性イレウス」として診断し入院加療となった。
翌日、入院診療チームが担当を引き継ぎ、救急外来での診断に則り、麻痺性イレウスとして治療を継続した。一方で、患者の腹痛は徐々に増悪した。最終的に入院2日目に急変し死亡した。死亡後の剖検で「上腸間膜動脈解離」が明らかになった。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.