投稿 Empirical EYE
—なぜ、人はワクチンに過剰反応を示すのか?—ワクチン忌嫌(vaccine hesitancy)を巡る議論とその心理的メカニズムの解釈
八巻 孝之
1
1国立病院機構宮城病院 総合診療外科
pp.378-383
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203652
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はじめに
ワクチンの忌避と論争は、予防接種の発明以来続いており、「ワクチン(vaccine)」「予防接種(vaccination)」という用語が作られた80年近く前から存在している。予防接種に対する懐疑的な見解は1つの国に特有のものではない。世界保健機関(WHO)は、2019年における世界的な健康脅威のトップ10として、ワクチン接種の拒否を大気汚染や気候変動と並んでランクづけしている1)。
本稿では、予防接種を巡る今後の課題を挙げ、ワクチン忌避のメカニズムについて私見を述べる(注:本稿は投稿論文として2021年9月受理、2022年1月の校正時に加筆・修正したものです)。
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