特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで
【Ⅰ章】「書くこと」で魅せるアウトプット—君に届けたい“文字”のかたち
一流雑誌に「研究論文」を載せ続けるために私が意識していること
青木 拓也
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1東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 臨床疫学研究部
キーワード:
臨床研究
,
研究論文
,
Academic GP
,
ミッション志向
,
リサーチクエスチョン
Keyword:
臨床研究
,
研究論文
,
Academic GP
,
ミッション志向
,
リサーチクエスチョン
pp.580-583
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203150
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今なぜ「臨床研究」か
日本で総合診療を専門領域として確立し、その質を向上していくためには、臨床・教育活動だけでなく、「研究活動」によって論文をアウトプットしていくことが不可欠である。日本の総合診療医からは優れた症例報告が数多く発信されている一方、「臨床研究」論文の数はまだ極めて少ないというのが現状だ。筆者ら1)が過去に調査した結果では、プライマリ・ケア領域の主要国際学術誌における日本の論文のシェア率(2011〜2016年)は、わずか0.15%だった。たとえば米国では、家庭医療が誕生した当初、「研究」の優先度が低かったため、専門領域としての認知がなかなか広まらなかった歴史がある。まさに現在の日本も似た状況であり、総合診療医にとって「研究論文」を書くことは、最も重要なアウトプットの1つと言える。
筆者は、大学研究センターの教員として、自身の研究や大学院生の教育を行いながら、地域の診療所で総合診療に従事している。本稿では、中堅の「Academic GP」として、研究論文をアウトプットし続けるうえで意識していることを振り返ってみたい。
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