特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来
[Ⅱ章] 実践報告:パンデミックにおける「総合診療」の役割
【病院】ICTも最大活用した総合診療医による「コミュニティホスピタル」の感染対策
近藤 敬太
1,2
1藤田医科大学 総合診療プログラム
2豊田地域医療センター 総合診療科、在宅部門
pp.49-52
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202950
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私が勤務する豊田地域医療センター(愛知県豊田市)は、150床の慢性期〜急性期の入院病床をもつケアミックス病院である。さらに、救急医療を含めた外来診療、約450名の患者に対する在宅医療、訪問看護や訪問リハビリテーションだけでなく、健診事業も積極的に行っている中小病院である。外来〜在宅〜病棟診療をシームレスに行う「コミュニティホスピタル」として機能している。
幸いなことに、当地域は本稿執筆時点(2020年11月)では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大規模な流行が起きている地域ではないが、日本での流行が本格化した2020年2月頃から、流行地域における複数の病院で「院内感染」が報告され、病院機能を縮小せざるをえない事態が散見された。そこで当院でも、「感染からスタッフを守り、地域の医療体制を維持する」こと、また「当院がクラスターの発生源とならない」ために、総合診療医が中心になって新型コロナウイルス対応ICT(infection control team)委員会(以下、ICT委員会)を立ち上げ、さまざまな対策を講じてきた。筆者もその一員となり週1〜2回行ってきたICT委員会も、12月現在で50回を超える。本稿では今まで当院が講じてきた対策についてまとめ、読者のみなさんの今後の対策に少しでも役立てば幸いである。
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