連載 地域と医療の未来を創る中小病院のあり方・7
豊田地域医療センターでのコミュニティホスピタル導入
井野 晶夫
1,2
1前・豊田地域医療センター
2医療法人豊和会 老人保健施設かずえの郷
pp.926-928
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541212040
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■コミュニティホスピタルを目指した背景
豊田市(西三河北部医療圏)は自動車産業を背景に若年労働者が多く,人口41万人を超す愛知県第2の都市で,面積は過疎地域を含み最も広い.豊田地域医療センター(以下,医療センター)は1980年に豊田市と豊田加茂医師会および豊田加茂歯科医師会の三者が運営主体となり,「救急医療」「健診・検査」「看護師養成」に重点を置いて設立された公設民営の病院である.
設立時より藤田保健衛生大学(現在の藤田医科大学)との連携協定により医師派遣を受け,24時間・365日の診療体制を維持してきた.設立後40年が経過し,2020年の豊田市の高齢化率は全国平均よりもまだ低いが,23.1%となった.また,この地域の医療・介護需要予測指数は医療,介護とも全国平均より高く,その増加率は2040年以降も上昇が続くと推定される.また,訪問診療を必要とする患者数は2025年に2016年実績数の2.8倍になると推計され(豊田市在宅医療・福祉連携推進計画より),人材などの資源不足が重大な問題になると想定されている.
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