特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!
【総論】
❷下降期慢性疾患患者のセルフケアと支援
谷本 真理子
1
1東京医療保健大学医療保健学部看護学科
pp.660-665
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202632
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なぜ、下降期慢性疾患患者に注目したか?
20年以上も前の話である。長く慢性疾患を病んで亡くなる患者に、最後まで侵襲の強い治療がなされたり、「自己管理不良」といわれたり、医師・看護師が患者の医療ケアにやりがいをもてず、患者の不満そうな表情や諦め感が漂う雰囲気に、筆者は疑問を感じていた。当時、「終末期ケア」といえば、がん患者の終末期ケアのことであり、教科書にも参考書にも、慢性疾患患者の終末期ケアについての記載は見当たらなかった。
今後、増加が見込まれるがん以外の慢性疾患患者のケアについて明らかにする必要があると感じ、この時期の患者を「下降期慢性疾患患者」と称して、ケアの研究をすることにした(“下降期”という言葉は、CorbinとStraussによる病みの軌跡理論1,2)を多いに参考にしている)。
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