特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!
【トピックス】
❸下降期慢性疾患とACP(advance care planning)
川口 篤也
1
1函館稜北病院 総合診療科
pp.731-734
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202658
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ACPの基本的な姿勢
本稿ではACP(advance care planning)の定義として、「年齢や病期を問わず、患者が自身の価値観、人生の目標、今後の医療に対する希望を理解・共有することを支援するプロセスである。ACPの目標は、重篤な疾患や慢性の疾患を抱える患者が、自身の価値観、目標、希望に沿った医療を確かに受けられるよう支援することである。また、多くの患者にとって、このプロセスは、患者自身で意思決定ができなくなった時に備えて、医療の意思決定を行う他に信頼できる人(々)を選び、準備しておくことが含まれる」というSudoreらの定義1)を採用する。
厚生労働省の定義には“人生の最終段階”という文言が入るが、本来のACPとは人生の最終段階に限ったことではなく、まだ死が差し迫っていない元気なうちから、価値観や選好などを話し合って共有しておくことも大事である。自分が慢性疾患を抱えた患者の主治医であると自覚している場合には、上記のような話し合いをタイミングを見計らって、意識的に始めることが必要かもしれない。
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