投稿 GM Clinical Pictures
慢性の下痢・腹痛を呈する患者で見られた、疾患特異性が高い上部消化管病変
梶原 祐策
1
1医療法人芙蓉会 村上病院 消化器内科
pp.597-599
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202608
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CASE
患者:18歳、男性。
現病歴:高校卒業後、ホテルで働くようになってから下痢が見られ始め、仕事のことを考えると腹痛も生じるようになった。近医を受診したところ、「過敏性腸症候群」としてラモセトロンおよびチキジウムを処方されている。今回は入職半年経過後の健康診断で、白血球数・血小板数の上昇、および貧血を指摘され、精査加療目的で当科を受診された。
既往歴:17歳;痔瘻(外科クリニックで診断)。
社会生活歴・家族歴:特記すべきことなし。
身体所見:身長166cm・体重47kg(半年前は56kg)、体温37.6℃、血圧112/62mmHg、脈拍数92回/分、腹部は平坦・軟で圧痛なし。
検査所見:WBC 8,900/μL、CRP 7.27mg/dL、ESR 41mm/hrと炎症マーカーが上昇・亢進していた他、Pltは53.8×104/μLと上昇していた。低アルブミン血症(Alb 2.6g/dL)および貧血(Hb 9.5g/dL)も認められたが、肝・腎機能はいずれも正常であった。
画像所見:スクリーニングの上部消化管内視鏡検査(図1)。
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