特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール
【各論】
—❹commonにみえるuncommon—治療に優先する「鑑別診断」
加藤 正吾
1
1中野こども病院
キーワード:
診断に基づかない治療
,
抗菌薬
,
尿路感染症
,
アンコモンな疾患の経過と予後
,
緊急性/重症度の高い鑑別疾患
,
違和感
,
直観
Keyword:
診断に基づかない治療
,
抗菌薬
,
尿路感染症
,
アンコモンな疾患の経過と予後
,
緊急性/重症度の高い鑑別疾患
,
違和感
,
直観
pp.295-298
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202515
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Case
「発熱のみ」を主訴に受診した急性腎盂腎炎の一例
患者:0歳4カ月、男児
主訴:3時間前からの発熱
現病歴:顔色は良好、肺音・心音・腹部所見に特記事項なし。既往歴はなく、初めての発熱とのこと。3歳の兄が数日前から咳をしているが、熱はない。予防接種も、月齢どおりに接種できていた。
受診時の血液検査ではWBC 12,000/μL(Nt 85%)・CRP 0.7mg/dL。尿検査は行われず、全身状態が良好であったため、解熱薬を処方して帰宅させた。
翌日の再診でWBC 21,000/μL(Nt 70%)・CRP 5.8mg/dL、尿検査で白血球の貪食を伴うGram陰性桿菌を認め、「急性腎盂腎炎」の診断となり、小児科に入院となった。その後、左の「膀胱尿管逆流」が発覚し、現在は小児腎臓専門医によって経過観察されている。
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