Editorial
こどもたちの未来のために
笠井 正志
1
,
児玉 和彦
2
,
鉄原 健一
3
1兵庫県立こども病院 感染症内科
2医療法人明雅会 こだま小児科
3九州大学病院 救命救急センター/小児科
pp.265
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202508
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「日本小児科学会は、小児科学に関する研究と小児医療との進歩、発展をはかる」(日本小児科学会ホームページより)。小児の「科学」を探求することが、こどもたちのために重要であることは言うまでもない。しかし、小児医療を進歩・発展させるのは、(動物)実験や高度な検査機器、RCTなどの統計学の世界だけではなく、「現場」にもある。
詳細な病歴聴取、再現可能な身体診察から得た仮説・推論を行い、常に誤りを探求する。このような現場目線で「小児科」を「学」ぶことも、小児科の魅力であるのではないかとずっと考えてきた(そうしたら“HAPPY”〔p.275〕に出会った)。患者・保護者から聴くこと、手で触れること、患者と交流すること、そこを目指す最高の臨床医(小児科医だけではなく家庭医・総合診療医も)、彼らを目指す若手医師などの共通の目的をもつ人たちの組織(≒学会)もあってもよいかもしれない。それが、本特集の著者たちであり、想定読者である。「新日本小児科学会」の幕開けとなるエポックを画する1冊となった(かもです)。(笠井)
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