Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!|胸腹痛をきたす“壁”を克服しよう・1【新連載】
胸壁症候群が重要なワケとは?
上田 剛士
1
1洛和会ヘルスケアシステム洛和会丸太町病院救急・総合診療科
pp.478-480
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202023
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「心臓ではない痛み」という説明で満足していませんか?
「胸痛をきたす疾患」と言われて、まず思いつくのは急性冠症候群ではないでしょうか? それ以外にも大動脈解離、肺塞栓症などを鑑別に加えた方もおられるかもしれませんが、いずれにせよ、重篤な疾患をまずは想起するでしょう。
鑑別疾患を挙げる際には、「Critical(緊急性の高い)」「Curable(治療可能な)」「Common(頻度の高いしびれ)」の3Cを意識すると良いとされますが、胸痛においては、急性冠症候群というcriticalな疾患がcommonでもあること、他にも大動脈解離、肺塞栓症、特発性食道破裂、緊張性気胸というcriticalな病態が多いことから、軽症でcommonな疾患は軽視されがちです。
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