特集 意外な中毒、思わぬ依存、知っておきたい副作用—一般外来で!OTCも処方薬も!
【知っておきたい&深めておきたい中毒症・依存症】
外来でみる一酸化炭素中毒—冬のサイレントキラー
玉井 道裕
1
1諏訪中央病院 総合診療科
キーワード:
一酸化炭素中毒
Keyword:
一酸化炭素中毒
pp.163-168
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201896
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Case
患者:18歳、女性。
主訴:頭痛。
現病歴:1月のある日、特記すべき既往のない18歳女性が、頭痛を主訴に午後の内科外来を受診した。朝から頭痛と吐き気あり。周囲ではインフルエンザが流行中。バイタルに異常はみられず、診察上も特記すべき異常はなし。診察した研修医は、「インフルエンザの初期症状かもしれない」と思ったが、上級医と相談し、一緒に来ていた家族からも病歴聴取を行った。
追加病歴:
●朝、「頭が痛い」と叫んでいた。意味不明な言動が一時的にみられた。
●両親と13歳の弟にも、朝から頭痛がある。
●弟は朝、失禁しており、意味不明な言動がみられた。
●昨晩、七輪を使って屋内でバーベキューをしたが、火を消し忘れた。
●最初は換気扇を回していたが、途中から寒くて、換気扇を止めてしまった。
●部屋は、寝室とキッチンがすべて一部屋につながった構造だった。
➡血液ガスを測定し、COHbが7.7%と上昇を認めたため、「急性一酸化炭素中毒」と診断した。
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