特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして
【緩和“治療”は任せて!】
できるようになりたい! 症状マネジメントのツボ❶疼痛
柏木 秀行
1
1麻生飯塚病院 緩和ケア科
キーワード:
基本的緩和ケア
,
専門的緩和ケア
,
包括的アセスメント
,
難治性がん性疼痛
Keyword:
基本的緩和ケア
,
専門的緩和ケア
,
包括的アセスメント
,
難治性がん性疼痛
pp.1240-1243
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201694
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Case
患者:29歳、女性。
生活歴:夫・4人の子どもと6人暮らし。
現病歴:左腸腰筋転移を伴う子宮頸がん(臨床病期:ⅣB)と診断され、がん化学療法を継続している。腸腰筋への転移が原因の左大腿部の痛みが出現し、左下肢の進展が困難となった。婦人科の入院主治医は、WHO(世界保健機関)方式の三段階除痛ラダーにしたがって疼痛緩和を行っていた。NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に加え、オキシコドンを導入し、副作用に留意しながら徐々に増量していた。
子どもが幼いこともあり、できるだけ自宅で過ごしたいという希望から、外来化学療法を行いながら自宅で症状緩和を行うこととなった。訪問診療を行っているプライマリ・ケア医は、在宅での緩和ケアを開始した。
その後、下肢の痛みは徐々に増強し、しびれも伴うようになった。オピオイドを増量しても症状は増強し、生活への影響も大きくなっていた。鎮痛補助薬としてプレガバリンを追加したが、それでも十分な鎮痛が得られなかった。地域の緩和ケアに関する勉強会や、独学で学んだ基本的な緩和ケアで十分な症状緩和ができず、プライマリ・ケア医は途方に暮れてしまった。
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