特集 80歳からの診療スタンダードUp to Date—Silver Standard
【80歳以上の高齢者診療トピックUp to Date】
—Q1 ポリファーマシー—ポリファーマシーの患者さん、忙しい診療の中での「超整理法」は?
徳田 安春
1
1臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄
pp.1100-1101
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201646
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◦ポリファーマシーと薬剤有害事象のリスク
高齢者診療では、マルチモビディティ(multimorbidity)のため、どうしてもポリファーマシー(polypharmacy)になりがちである。ポリファーマシーは薬の有害事象のリスクとなり、特に転倒や骨折のリスクとなることがわかっている。以前私たちが行った研究で、高齢者の救急入院のうち少なくとも5%は、薬の有害事象が原因であったことが判明した。そのうち多くの患者さんでポリファーマシーを認めた1)。
つまり高齢者では、腎機能や肝機能の低下、体内の脂肪割合の増加、そして血清アルブミン濃度の低下などが原因でポリファーマシーとなると、薬剤相互作用なども加わり、薬の有害事象のリスクが高まるのである。
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