特集 80歳からの診療スタンダードUp to Date—Silver Standard
【80歳以上の高齢者の外来診療 ここがポイント!】
脳卒中再発予防スタンダードUp to Date—脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017]対応
大槻 俊輔
1
1近畿大学医学部附属病院脳卒中センター
キーワード:
抗血栓療法
,
降圧療法
,
ポリファーマシー
,
認知症
,
フレイル
Keyword:
抗血栓療法
,
降圧療法
,
ポリファーマシー
,
認知症
,
フレイル
pp.1078-1083
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201641
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
人生の晩期に頻発する脳卒中は、片麻痺や失語、認知症という難治性の後遺症を残し、本人や家族を悲観に暮れさせる。わが国では脳卒中は、5人に1人が生涯で経験する疾患であると疫学調査で示されている。そのなかで機能的後遺症により、自宅に戻れない「要介護3」以上に転落する患者は少なくない。
本Caseのように、脳梗塞発症後にかかりつけ主治医に歩いて再会できたのも、脳梗塞超急性期治療が、この1〜2年の間に目覚ましく進歩しているためである。脳卒中の症状について、市民や救急隊に対しても啓発が進み、脳卒中センターに迅速にバイパス搬送され、発症後4.5時間以内のrt-PA(アルテプラーゼ)静脈投与による血栓溶解療法、また残存ペナンブラ救援療法としての機械的血栓除去カテーテル術をハイブリッドさせる治療、さらに高血圧性脳内出血に対して迅速な降圧療法や抗凝固薬の中和療法による止血療法により、死亡率は改善している。とはいえ、脳卒中は亜急性期以降も再発率が非常に高く、再発により再起不能の寝たきりや、死亡に至る症例が多い。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.