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特集 脳卒中治療ガイドライン2004―内科医からみたコンセンサス―
4.脳卒中の再発予防
Secondary Prevention of Stroke
篠原 幸人
1
Yukito Shinohara
1
1東海大学医学部付属東京病院脳卒中・神経センター
1Center for Stroke and Neurological Diseases, Tokai University Tokyo Hospital
キーワード:
guidelines for stroke management
,
secondary prevention of stroke
,
stroke recurrence
,
antiplatelet
Keyword:
guidelines for stroke management
,
secondary prevention of stroke
,
stroke recurrence
,
antiplatelet
pp.933-939
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100358
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はじめに
脳卒中の中でも,脳梗塞は脳出血にくらべ再発作が多いことが知られている。入院・外来患者を対象とした従来の研究の多くが脳梗塞発症後3年間で20~30%の再発率を示しており,また地域住民を対象とした研究では脳梗塞初発後5年以内の累積再発率は20~40%とされている22)。しかし,これらの数値は筆者ら22)が1960~1982年頃までの文献を渉猟した結果であり,近年は脳梗塞・脳出血ともにその再発率は抗血小板薬,降圧薬その他の使用の普及により多少減少傾向にあると思われる。
しかし,それでも年間5~8%近くの脳梗塞症例が再発し,かつ再発例は生命予後悪化・痴呆・寝たきりへの移行率が高い現実を考えるとき,その再発予防は一次予防・超急性期治療と並んで脳卒中患者管理に重要な位置を占めていることは言をまたない。
5学会合同「脳卒中治療ガイドライン2004」(第2版・第1刷)11)でもこの点を考慮し,特に脳梗塞の項では慢性期における管理と再発予防にかなりのスペースが割かれている。詳しい内容は実際のガイドラインを見ていただくとして,本稿では脳卒中の病型別に,かつ当該患者のもつ危険因子別に現段階における脳卒中再発予防のコンセンサスを,ガイドラインが作成された以降における主要文献も組み込みながら概説する。
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