55歳からの家庭医療|明日から地域で働く技術とエビデンス・16
—「病い」へのアプローチ3—Clinical Method in Family Medicine:SALUTOGENESIS
藤沼 康樹
1
1医療福祉生協連 家庭医療学開発センター
pp.591-595
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201481
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医師ならば誰でも知っているテクニカルタームに、「pathogenesis」という言葉があります。これは「病因論」と訳され、疾患がどのような原因とメカニズムで生じるのかについて、微生物学や生化学、生理学、病理学などの諸領域の成果で説明することと言えます。
医学教育において、pathogenesisに関して獲得しなければならない知識量は膨大で、多くの時間を費やします。そのためか、医師は比較的自然に「健康とは疾患がない状態のことである」という前提に立っている場合が多いです。疾患を診断し治療することで健康な状態が得られる、というふうに考えがちなのです。そして、「健康であること」が実際には何を意味しているのか、ということについては、あまり深く追求しないものです。
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