糖尿病患者の全身診察手順―時間が制限された外来診療で，いかに効率よく問診，診察を行うか

General physical examination for the diabetic patients

Case

“足がしびれる”という糖尿病患者

　66歳男性．下肢のしびれ感を主訴として受診．10年ほど前より健診にて尿糖を指摘されることが何度かあったが，再検査ではいつも異常がないといわれていたという．

　身長167 cm，体重60 kg（既往最大体重67 kg，45歳時）．血圧128/70 mmHg，左右差なく，起立によっても低下しない．胸腹部に異常なし．下肢腱反射は正常でアキレス腱反射もよく保たれていた．下腿の脈拍では大腿動脈，膝窩動脈は右側で減弱．足背動脈，後脛骨動脈は左側で減弱，右側で触知せず．

　下肢のしびれ感について再度尋ねたところ，「歩いて10分ほどで右のふくらはぎが痛くてしびれる感じ．少し休むと良くなってまた歩くことができる」とのことであった．