苦手克服|野獣のリアル勉強法・8
「私と推論」—不明熱・不定愁訴のような診断の難しい症状・疾患をどう診断しているか
國松 淳和
1
1国立国際医療研究センター 総合診療科
pp.1124-1128
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201080
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自分でそう思っているだけかもしれないが、私の推論法は“独特”である。というか、独特でなければならないのである。
たとえば不明熱や不定愁訴というのは、単に患者あるいは担当医が「診断がわからない」という状態なのではない。ケースにもよるが、誰が、何をわかっていないかすらもわかっていない場合が多い。言い換えれば、不明熱や不定愁訴の診療においては、どこかしらの点で誰かが騙されているのである。診断の難しい症例の判断では、この「トリック」を見抜く眼と思考が必要になる。これは、普通に考えている人たちを出し抜く行為であるから、“独特さ”が必要である。だから、私の思考法は、人が真似をしては困るのである。
ここまでで私が自分の推論法を開陳できない事情はわかっていただけたと思うが、これで脱稿とするわけには(空気的に)いかないであろう。そこで、私が実践していて、人にもお勧めできる勉強法について述べることにする。
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