特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!
【Case series 2 ロジカルに迫り確定診断を導く!】
発作性高血圧+発汗異常
田辺 晶代
1
1国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科
キーワード:
褐色細胞腫
,
カテコールアミン
,
メタネフリン
,
高血圧
Keyword:
褐色細胞腫
,
カテコールアミン
,
メタネフリン
,
高血圧
pp.1052-1055
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201053
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Case
患者:52歳、女性。
主訴:発作的に生じる動悸・頭痛・発汗過多。
家族歴:特記事項なし。
既往歴:特記事項なし。
月経歴:初経12歳、以後順調、51歳で閉経。
現病歴:48歳の健診で高血圧を指摘され、降圧薬内服下で血圧130/80mmHg、脈拍数80回/分台であった。同時期から月に数回の頻度で上記の症状が出現し、その際の血圧は150/90mmHgであった。症状は30分程度で消失し、更年期症状あるいはパニック障害として漢方薬を処方されたが、無効であった。1カ月前に腸炎を発症し、その際の腹部エコーで径3cmの左副腎腫瘍を指摘された。血中・尿中カテコールアミン値および尿中メタネフリン分画値が高値であり、「褐色細胞腫」と診断され、腹腔鏡下左副腎摘出術を受けた。術後はカテコールアミン値が正常化し、降圧薬を中止したが、血圧110/60mmHg、脈拍数60回/分であった。
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