Editorial
沖縄の風に吹かれて—ジェネラリストの役割を考える
山中 克郎
1
,
徳田 安春
2
1諏訪中央病院総合内科
2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄
pp.137
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200753
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高齢化社会を迎えた日本では、「下流老人」と呼ばれる貧しい高齢者が増えている。日本の相対的貧困率は16%であり、OECD加盟国34カ国のうち、6番目に高い数値だ。高い医療費は高齢者の生活を圧迫する。どのような医療がこれからは求められるのであろうか。過剰診療に対して警告を鳴らす“Choosing Wisely”の運動は、日本でも徳田安春先生らを中心に広がっている。
インターネットにアクセスすれば、誰でも最新の医学知識を得ることができる。しかし、医療は知識だけでは十分でない。「それは辛かったですね」と共感しながら患者の話に耳を傾けることは、患者の心に安らぎを与える。丁寧な診察で直接身体に触れることは、診断のみならず、患者からの信頼を得るために大切な手技なのだ。「巨大な知」と「患者の心」をいかに結びつけるかが、AI(人工知能)時代における医師の大切な役割だろう。
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