Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー! クスリとリスク・3
ジギタリス中毒
上田 剛士
1
1洛和会ヘルスケアシステム 洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.524-527
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200569
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症例
患者:75歳,女性.
現病歴:3カ月前に心房細動からの脳塞栓症のために左片麻痺が出現.もともと独居であったが,ADLが低下し車椅子生活となっている.2カ月前に両下腿浮腫が出現したため心不全が疑われ,フロセミド10mg/日とジゴキシン0.125mg/日が追加処方された.2週間前から食欲が低下し,救急外来を受診した.検査にて血清Cr 1.9mg/dl,K 3.0mEq/l,血中ジゴキシン濃度3.2ng/mlが確認された.補液のみにて食欲と腎機能障害は改善し,退院.最終的には「就下性浮腫に対して処方された薬剤による腎前性腎不全と食欲低下」と判断された.
Q:ジギタリスは中毒を起こしやすいが,「陽性変力作用と陰性変時作用を持つ」という他にはない特徴があり,かつ安価(9.6円/錠)というメリットがあります.副作用を生じさせずにジギタリスを上手に用いるためには,どのような点に注意すればよいでしょうか?
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