特集 外来で「複数の疾患」をもつ患者を診る─マルチモビディティの時代のプライマリ・ケア
【スペシャル・アーティクル】
「ポリファーマシー」とは何か,何が問題なのか
福士 元春
1
1武蔵野国分寺公園クリニック
キーワード:
複数薬剤の使用
,
PIM
,
スクリーニングツール
,
介入効果
Keyword:
複数薬剤の使用
,
PIM
,
スクリーニングツール
,
介入効果
pp.1127-1130
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200414
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Case
よくみられる高齢者のポリファーマシーの一例
患者:84歳,男性.
現病歴:肺炎のため1カ月の入院治療のあと,自宅へ退院.廃用が進み,臥床状態となったため,訪問診療の依頼となる.病院からの紹介状では,高血圧・糖尿病・脂質異常症・前立腺肥大症・睡眠障害に対する薬剤7剤が処方されていた.加えて,他院整形外科からは鎮痛薬・胃薬・抗不安薬・湿布,眼科から白内障の点眼薬,かかりつけ医院からは認知症治療薬が処方されていた.
そこで,高血圧・糖尿病・脂質異常症などの予防目的で投薬されている優先度の低い薬から段階的に減薬を行った.睡眠薬・抗不安薬を中止したところ排尿障害も改善し,最終的には内服薬はすべて中止となり,湿布のみとなった.減薬後ただちに食欲が改善し,リハビリテーションにも積極的に取り組めるようになった.退院3カ月後には端座位保持も可能となり,歩行訓練が始まっている.
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