特集 レアだけど重要な「痛み」の原因─システム1診断学
【部位別システム1診断アプローチ】
筋肉痛でレア疾患のシステム1診断
中村 孝人
1
1JCHO星ヶ丘医療センター総合内科・呼吸器内科
キーワード:
筋肉痛
,
医学用語変換
,
腫瘍
,
膠原病
,
内分泌/代謝
,
感染症
Keyword:
筋肉痛
,
医学用語変換
,
腫瘍
,
膠原病
,
内分泌/代謝
,
感染症
pp.1031-1037
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200389
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Case 1
肩関節周囲炎として外用剤で加療を受けていた「リウマチ性多発性筋痛症」の1例
患者:70歳,女性.
現病歴:来院2日前,朝,寝返りがうてないことで目覚めた.痛みは首筋から肩にかけて強く,体動によって悪化する.1時間程度してやっと動けるようになってきた.近医を受診し,「肩関節周囲炎」として処方を受けたが改善せず,当院受診.身体所見では髄膜刺激症状は認めず.側頭動脈の左右差は認めず.両上肢挙上は両肩疼痛のため不可能であった.また臥位から立位へ体位変換時に,体幹部の疼痛が強い.血液検査では赤沈1時間値98mmと上昇を認めた.赤沈値の顕著な上昇を認めた高齢の女性が,体幹を中心とする筋骨格系の突発性の激しい疼痛を呈したことから,「リウマチ性多発性筋痛症(PMR)」を疑った.敗血症の除外のため血液培養2セットを施行し,PSL 10mg内服治療を開始した.翌日には体幹を中心とした朝のこわばり・疼痛は激減した.
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