Dr.徳田と学ぶ 病歴と診察によるエビデンス内科診断・9
胸痛─急性冠症候群? 大動脈解離?
徳田 安春
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)本部
pp.490-494
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200228
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徳田:皆さん,こんにちは.この連載では,臨床疫学を用いた診断過程を学んでいきます.症例に基づきながら,レジデントの皆さんとの対話形式で進めていきます.
今回は胸痛を主訴とする患者の症例です.胸痛は頻度の高い症状であり,重篤度と緊急度の高い疾患も含まれています.これらはキラー胸痛(killer chest pains)とも呼ばれています(表1).肺塞栓症は呼吸困難のケース(「総合診療」25巻2号)で取り上げたので,今回は緊張性気胸と食道破裂に比べて,比較的頻度の高い急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS,急性心筋梗塞と不安定狭心症を含む)と急性大動脈解離(acute aortic dissection:AAD)についてみていきましょう.
では,今回のケースの病歴と身体所見をみてみましょう.病歴と診察に加えて,臨床予測スコアの診断の正確度も検証していきます.
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