Editorial
「咳を聴きとり,咳を止める」ことは,総合診療医の腕の見せ所
藤田 次郎
1
1琉球大学医学部附属病院
pp.413
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200206
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咳は日常診療の中で,頻度の高い主訴である.また外来患者の訴える主訴の中で最も多いものである.このため本特集のテーマである「咳を聴きとり,咳を止める」を学ぶことは,総合診療医にとって必須であり,同時に総合診療医の腕の見せ所でもある.
器質的な呼吸器疾患のみならず,感染症,アレルギー疾患,鼻疾患,胃食道逆流など,さまざまな要因により咳が惹起される.もちろん患者さんの希望は咳を止めてほしいのであるから,咳の原因を明らかにすることは重要な課題である.咳を有する患者さんを診察する際には,咳の持続期間を考慮することが重要である.まず急性の咳は,3週間以内の咳と定義する.亜急性の咳は3週から8週間続く咳である.慢性の咳は8週間以上続く咳である.当然のことながら,長い期間咳が続けば続くほど,感染症の可能性は低くなる.
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