特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス
【総合医が知っておきたいスポーツ医学の知識】
スポーツと脳震盪
小林 裕幸
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
キーワード:
脳震盪
,
意識消失
,
神経的機能障害
,
SCAT(G1参照)
,
段階的競技復帰(GRTP)
Keyword:
脳震盪
,
意識消失
,
神経的機能障害
,
SCAT(G1参照)
,
段階的競技復帰(GRTP)
pp.142-144
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200077
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年,スポーツ医学の発達とともに脳震盪の重要性が指摘されるようになった.過去には,スポーツの試合で「魔法の水」といって,やかんに入れた水を脳震盪で倒れている選手の頭にかけ,意識を取り戻させて競技に復帰させる光景があった.しかし,second impact syndromeをはじめ,短期間に繰り返す頭部打撲により,不可逆的な神経機能障害を起こすことが明らかになってきた.すなわち,受傷により神経・グリア細胞が修復しないうちにもう一度受傷すると,細胞死に陥ることが報告されている.現在,日本ラグビーフットボール協会では,脳震盪の診断や疑いがあった場合には,医師の非管理下では原則3週間は競技に復帰できない厳格な規則を設けている1).
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.