特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス
【総合医が知っておきたいスポーツ医学の知識】
女性とスポーツ
土肥 美智子
1
1国立スポーツ科学センターメディカルセンター
キーワード:
性差
,
女性ホルモン
,
月経異常
,
女性アスリートの三主徴
,
月経調整
Keyword:
性差
,
女性ホルモン
,
月経異常
,
女性アスリートの三主徴
,
月経調整
pp.145-147
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200078
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性差
スポーツによる身体への影響,障害,外傷や疾患は,女性と男性では異なる.それは当然,男女では身体的・生理学的な差があるからである.
男女の生理学的な差のなかで,体脂肪率が女性で優位であるのは,女性ホルモンが皮下脂肪の蓄積に働くためで,この体脂肪率の差は乳房,臀部,大腿部につく必須脂肪による.これが第二次性徴の証であり,かつ女性らしさを形づくる.この脂肪は男性では体重の約3%,女性は約9〜12%といわれており,女性アスリートは一般女性よりは低い傾向にある.この時期(つまり思春期)になると性差が顕著になるが,それまでのパフォーマンスはほぼ男女同じである.その他,有・無酸素能力,スピード,一回心拍出量など,スポーツに関わる生理学的項目は男性が優位である.
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