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特集 肝細胞癌と鑑別を要する多血性腫瘤
序説
肝細胞癌と鑑別を要する多血性腫瘤
Hypervascular nodule,which should be differentiated from hepatocellular carcinoma
工藤 正俊
1
,
井上 達夫
1
Masatoshi KUDO
1
,
Tatsuo INOUE
1
1近畿大学医学部 消化器内科
1Department of Gastroenterology and Hepatology,Kinki University faculty of Medicine
キーワード:
肝細胞癌
,
多血性肝腫瘍
,
肝限局性結節性過形成
,
肝細胞腺腫
,
肝血管筋脂肪腫
Keyword:
肝細胞癌
,
多血性肝腫瘍
,
肝限局性結節性過形成
,
肝細胞腺腫
,
肝血管筋脂肪腫
pp.382-385
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100596
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はじめに
肝細胞癌は,“ダイナミックCTあるいはMRIの動脈優位相で増強され,門脈相または平衡相でwashoutを示す”ことが多い.しかしながら,類似の画像パターンを示しながらも肝細胞癌ではない腫瘤を稀に経験することがある.多血性肝腫瘍の鑑別診断において最も重要なことは,これら肝細胞癌を含む多血性の悪性腫瘍と多血性の良性腫瘍を正しく鑑別し,良性腫瘍に対する不要な侵襲治療をいかに回避するか,ということにあるといっても過言ではない.
2007年1月に肝細胞特異性造影剤であるガドキセト酸ナトリウム;EOB・プリモビスト®(gadolinium ethoxybenzyl diethlenetriamine pentaacetic acid;Gd-EOB-DTPA)が発売となり,その高い病変検出能から肝の画像検査の主流になりつつあるが,Gd-EOB-DTPA-MRIのみを用いて評価すると,“偽陽性”結節が増加するとの危険性も指摘されている.今回は,いわゆる肝細胞癌の高リスク群であるウイルス性肝炎,NASH(nonalcoholic steatohepatitis)やほかの疾患による肝硬変に加え,正常肝にも発生する多血性病変を取り上げ,臨床,病理,画像状の特徴を明らかにしていく.
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