技術講座 超音波技術の新しい展開
EUSで胆膵をみる
山中 桓夫
1
1自治医科大学附属大宮医療センター消化器内科
pp.111-115
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900261
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●EUSが何故必要か
内視鏡下超音波検査(endoscopic ultrasonography:EUS)が臨床応用されて,すでに20年を経ようとしている.EUS用の機器としては,EUS専用の超音波内視鏡と内視鏡鉗子孔を通して,あるいはPTCドレナージチューブなどの細い管腔を通して必ずしも内視鏡を介さないで使用することのある細径超音波プローブが現在用いられている.これらの機器が開発される契機となったのは,超音波のもつ物理学的特性による超音波診断の欠点を補うためである.通常の体表からの超音波検査は,その簡便性と診断情報の多さから実際の診療の場に急速に広まったのであるが,反面超音波減衰や腸管ガスなどの音波伝播妨害による診断困難部の問題もクローズアップされた.胆膵系では,胆嚢管,胆嚢底部,総胆管末端部を含めた膵頭部領域および膵尾部などが診断困難部位として認識されている.これらの領域の病変が疑われる場合や,現在では胆膵の画像診断で最も詳細な描写が可能なことから,他の臨床検査で確認された病変の精密検査法として用いられている.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.