追悼
板井悠二先生を偲んで
工藤 正俊
1
1近畿大学医学部消化器内科
pp.431
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100479
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2003年1月19日板井悠二先生が急逝された.私がそのことを初めて知ったのは1月20日のことであった.言いようのない強い衝撃と無力感に襲われたのを鮮明に覚えている.そのショックから解き放されるには数週間を要した.先生に育てられ,教えを受けた多くの人々が同じ気持ちでいたことと思う.
板井先生を思い起こす時いつも浮かんでくるのは,“辛辣な質問をしている時の厳しい表情” そして “お酒を飲んでいる時の人なつっこい笑顔” である.先生の卓越した点は権威とか常識・前例にとらわれることなく広く優れた人材を発掘し,育て上げることを無意識に行ってこられた点であると思う.どれだけ多くの人が板井先生からの激励の手紙や声を掛けられて勇気づけられ,また場を与えられて発展していったか数知れないと思う.
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