Japanese
English
特集 稀な肝悪性腫瘍―画像と病理
肉腫様変化を伴った肝細胞癌
Hepatocellular Carcinoma With Sarcomatous Change
宮澤 正紹
1
,
武藤 淳
1
,
佐藤 正幸
1
,
佐瀬 善一郎
1
,
児山 香
1
,
蘆野 吉和
1
,
松代 隆
1
Masatsugu MIYAZAWA
1
,
Atsushi MUTO
1
,
Masayuki SATO
1
,
Zenichiro SAZE
1
,
Kaori KOYAMA
1
,
Yoshikazu ASHINO
1
,
Takashi MATSUSHIRO
1
1福島労災病院外科
1Department of Surgery,Fukushima Rosai Hospital
キーワード:
肝悪性腫瘍
,
肝細胞癌
,
肉腫様変化
,
肉腫様肝細胞癌
,
肝切除
Keyword:
肝悪性腫瘍
,
肝細胞癌
,
肉腫様変化
,
肉腫様肝細胞癌
,
肝切除
pp.485-489
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100435
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨 患者は63歳 女性.発熱,上腹部痛を主訴に精査を受けた.腹部超音波検査にて肝左葉外側区域に径4cmの内部は不均一な低エコー腫瘍を認めた.腹部CT検査では造影効果なく,血管造影検査で腫瘍部は低血管領域であった.HCV抗体陽性,AFP値は軽度高値を示した.画像上肝細胞癌としては非典型例であり,肝悪性腫瘍の診断で2000年10月,肝左葉切除術を施行した.術後,病理組織診断にて肉腫様変化を伴った低分化型肝細胞癌と診断された.免疫組織学的には肉腫様変化部位で,ビメンチン陽性であった.
肝細胞癌は組織学的に多彩な像を呈するが,肉腫様変化を伴った肝細胞癌は比較的稀である.画像上乏血性の所見を呈する肝腫瘍の診断において,肉腫様変化を伴った肝細胞癌も念頭に置く必要がある.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.