misdiagnosisに学ぶ
―術前診断―非腫瘍性膵囊胞
土屋 貴愛
1
,
糸井 隆夫
1
,
祖父尼 淳
1
,
糸川 文英
1
,
栗原 俊夫
1
,
森安 史典
1
1東京医科大学消化器内科
pp.261-264
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100166
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■症例提示
40代,女性.
主訴 上腹部痛.
既往歴 2001年より右乳癌にて手術およびホルモン療法中.糖尿病にて内服加療中.膵炎および外傷の既往はない.
現病歴 同年9月,膵尾部に18 cm大の囊胞を指摘された.US,CT,EUSにて囊胞内に壁肥厚や結節を認めなかったため(図1a,b),非腫瘍性膵囊胞と診断し,超音波内視鏡(EUS)下経鼻膵囊胞ドレナージ術を施行した.内容液中のアミラーゼ値は50 U/l,リパーゼ18.4 U/l,CA19-9 117.0 U/mlであった.囊胞内洗浄細胞診にて悪性所見はなかったため,囊胞内癒着を図り経過観察していた.2002年7月より上腹部痛の出現および左季肋部腫瘤を触知し,膵囊胞再発が疑われ精査加療目的のため入院となった.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.