書評
「筋疾患の骨格筋画像アトラス」—久留聡【編】
青木 正志
1
1東北大学大学院・神経内科学
pp.1057
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202470
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筋疾患はどれも頻度が低い希少疾患に分類されます。しかしながら時々臨床現場で遭遇し,すぐに診断して治療を改善することで,治療効果が期待できる多発筋炎などの炎症性筋疾患と遺伝性筋疾患を見分けることはとても重要です。
私たち脳神経内科医はまず,患者さんから詳しく病歴を聞き,神経診察を行います。筋疾患では全身の筋の筋力を徒手筋力テストなどで確認し,それと同時に筋萎縮の有無を確認していきます。最も重要なのは近位筋優位か遠位筋優位かですが,どこの筋が萎縮しているかの「罹患筋分布」を確認するだけで例えば筋緊張性ジストロフィーや封入体筋炎はすぐに診断ができるようになります。この罹患筋分布の確認に筋CTあるいはMRIを用いることは,有力な手段となります。このテキストはその標準撮像法(ルチン撮像法)の読影の仕方から始まっています。カラーでそれぞれの筋を示した模式図はとてもわかりやすいです。
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