特集 Antibody Update 2023 Part2 末梢編
【鼎談】Antibody Update 10年—自己抗体は脳神経内科の臨床をどのように変えたか
藤原 一男
1,2
,
海田 賢一
3
,
神田 隆
4
1福島県立医科大学医学部多発性硬化症治療学講座
2脳神経疾患研究所多発性硬化症・視神経脊髄炎センター
3埼玉医科大学総合医療センター脳神経内科
4脳神経筋センターよしみず病院
pp.797-805
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202423
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神田 自己免疫性炎症性神経疾患と自己抗体の関係についての研究は,1970年代後半から行われてきました。1982年にはコロンビア大学のNorman Latov1)がミエリン関連糖蛋白(myelin-associated glycoprotein:MAG)抗体を発見しています。私は1981年の卒業なので,疾患に直接的に結びつくMAG抗体の発見は日本でも大きな話題になっていたことを記憶しています。ただ,当時の脳神経内科診療において自己抗体はそれほど大きなウェイトを占めてはいなかったように思います。ところが最近では,中枢神経疾患,神経・筋疾患を問わず,自己免疫性炎症性神経疾患における自己抗体の重要性は不動のものになっています。
本誌では10年前に「Antibody Update」(2013年4月号)という特集を組み,その5年後に「Antibody Update 2018」(2018年4月号),そしてこの度第3弾を出すことになりました。本日は藤原先生,海田先生をお迎えして,自己抗体の発展が脳神経内科の臨床をどのように変えたのか,自己抗体の測定方法を知ることの意義,自己抗体をどのように臨床に生かすのかなどについて,お話しいただくこととしました。
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