連載 スペシャリストが薦める読んでおくべき名著—ニューロサイエンスを志す人のために・3
神経放射線学の教科書—今昔物語
百島 祐貴
1
1慶應義塾大学病院予防医療センター
pp.1390-1391
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201953
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【昔ばなし】
牧 豊,久留 裕:神経放射線学Ⅰ,Ⅱ(朝倉書店,1979)
Taveras JM, Wood EH: Diagnostic Neuroradiology, 2nd ed. (Williams & Wilkins, 1976)
筆者は1982年の卒業で,神経放射線学の勉強を始めたのはその2年後であった。40年も前である。この時代,教科書の選択に迷う必要はなかった。英語の教科書も,日本語の教科書も事実上,それぞれこの1冊しかなかったからである。
当時既にCTは普及していたが,大学病院では第2世代のCTと第3世代のCTが並んで動いている時代であった。神経放射線の勉強といえば,まず頭蓋X線写真が基本で,次に血管撮影,ついでにCTといったところであった。気脳造影はもはや行われていなかったが,教科書の内容は疾患ごとに,X線撮影,血管撮影,気脳造影,CTの順に並んでいた。
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