やさしい目で きびしい目で・107
研修医今昔物語
緒方 奈保子
1
1関西医科大学付属滝井病院
pp.1883
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102545
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研修医制度が変わり,スーパーローテーションが始まってはや5年目です。当然ながら私が研修医として過ごした時代とは,社会情勢も研修医の意識も大きく様変わりしています。研修先を決めるマッチングもありますし,受け入れ側も初期研修また後期研修を受け入れるに当たってきちんとしたカリキュラムを作成しています。いろいろな科をローテーションすることは多くの見識を深めるとともに,臨床の場で自分の適正を見極めるよい機会でしょう。ローテーションしてから専門を決めようと思っている研修医も多いはずです。
私が眼科に入局した時,最初はオリエンテーション,教授回診,外来・病棟の見学,システムを教わったりと,たいして今と変わらない予定でしたが,最初の1週間が終わる時は疲れ果ててげっそりでした。その1週間が終わる金曜日の夜,堅い決心を心に秘め教授室へ行きました「すみません,先生」「ん?」「眼科を辞めます。来週から内科へ行きます」「ん?! どうして?!」「暗いんです」「ん?」「部屋が暗いんです」「診察室のこと?」「あんな暗い部屋で一生の大半を過ごしたくありません!」「う~~ん,それは……」。
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