学会印象記
2018 ISNI—14th International Congress of Neuroimmunology(2018年8月27〜31日,ブリスベン)
山村 隆
1
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所
pp.175-177
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201238
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オーストラリアのブリスベン(Brisbane)(写真1)で開催された第14回国際神経免疫学会(International Society of Neuroimmunology:ISNI)は,35カ国から600名以上の参加者が参集し,初日の教育プログラムを含めて,5日間にわたる充実したプログラムを提供してくれた。欧米人が“イズニ”と呼ぶ,この学会は,神経免疫学のプロフェッショナルのための学会で,基礎,臨床,トランスレーション研究までカバーする。学会幹部の顔ぶれは,基礎系研究者7割,臨床系研究者3割といったところであろうか。欧州多発性硬化症学会(European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis:ECTRIMS)が,多発性硬化症(MS)の臨床研究指向を明確にしたメガサイズの学会で,スポンサー企業にも配慮したプログラム構成になっているのに対して,ISNIはまったく自由な立場で,生体の統御機構としての神経免疫について議論できる学会である。筆者にとっては,同業者や同窓生が勢揃いする重要な学会で,米国のフィラデルフィアで開催された第2回学術集会から1度も欠かさず出席している。湾岸戦争直後にイスラエルで開催された第3回学会や,イタリアのベニスで開催された第7回学会などの思い出は今でも鮮烈に残っている。いつの間にかInternational Advisory Boardのメンバーに入り,ISNIの招致活動にも携わっている。
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