読者からの手紙
低血糖脳症の画像所見における脳形態変化の重要性
益澤 秀明
1
1河北リハビリテーション病院
pp.859
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200518
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本誌4月号特集で松永ら1)が呈示した低血糖脳症症例の頭部MRI(文献1のFig. 2)では皮質をかたどるリボン状の高信号が目立ちます。当該症例の低血糖原因・撮像時期・転帰は詳らかではありませんが,診断につながる貴重な画像所見です。
低血糖脳症では高次脳機能障害2,3),認知症,さらには遷延性昏睡となります。脳画像所見でリボン状高信号を経て3カ月後に高度の脳室拡大・脳萎縮に至った遷延性昏睡症例が報告されています4)。脳質拡大の機序としては髄鞘の崩壊による二次的軸索損傷が主体のびまん性脳損傷と考えられます。同じように髄鞘崩壊をきたす一酸化炭素中毒や蘇生後脳症では,急性期に見られる大脳基底核や海馬などの局在所見よりもびまん性脳損傷による脳質拡大・脳萎縮が認知機能予後と関連しています3)。
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