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書評 「《日本医師会生涯教育シリーズ》Electrocardiography A to Z 心電図のリズムと波を見極める」—日本医師会【編・発行】 磯部光章,奥村 謙【監修】 清水 渉,村川裕二,弓倉 整【編】 合屋雅彦,山根禎一【編集協力】
相澤 義房
1
1新潟大学
pp.478
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200421
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このたび,磯部光章先生,奥村謙先生の監修による,『Electrocardiography A to Z—心電図のリズムと波を見極める』が刊行された。本書は日本医師会企画による第一線の臨床医に向けた循環器領域のシリーズ『心電図のABC』のいわば改訂版とも言えるものである。
「監修・編集のことば」にあるように,心電図や不整脈のわかりやすい入門書であると同時に,最近の不整脈治療の進歩が理解できるように企画されている。その結果,非専門医であっても,心電図と不整脈を自ら診断し,臨床的意義を再確認できるとともに,最新治療との関わりを確認することができる。また退屈になりがちな心電図の記録法や波形の成り立ちの記述も,カラーで見やすく,簡潔かつ十分に内容のある口絵としてまとめられている。このカラー口絵と第I章で,心電図の基本的知識が十分に身につく。第Ⅱ章では心電図や不整脈診断における一般的な流れが示されている。このようなアプローチは,心電図や不整脈診断や判読の基本で,その流れの先にはおのずと正しい診断があると言える。第Ⅲ章以下,異常所見や不整脈があった場合,その病態やメカニズムはどうなっているのか,どのような治療がありかつ必要とされるかも述べられており,大変に実用的でもある。
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