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プラム(Fred Plum;1924-2010)は米国の神経学者である。1924年1月10日にニュージャージー州アトランティック市で生まれた。父は薬局チェーンを経営していたが,大恐慌の際に倒産した。プラムの妹のクリスティンが急性灰白髄炎で亡くなったのをみて,プラムは10代から神経学者を目指すことになる1)。ダートマスカレッジに続き,ダートマス医学校に学んだ後,コーネル大学医学校を1947年に卒業した。卒業後はウォルフ(Harold Wolff;1898-1962)のインターン,レジデントとして学んだ。レジデント時代に急性灰白髄炎の治療など数編の論文を書いた。29歳(1953年)のときには,ワシントン大学の神経学の主任教授に招かれ,ここで彼は呼吸不全を呈する意識消失患者や麻痺患者の治療のため,呼吸器センターを創設した。彼の名声は響きわたり,その地域の意識障害の患者はまず彼の診断を受けるまでに至ったという。そのため,亜硝酸ナトリウム中毒によるメトヘモグロビン血症患者も彼の診断のおかげで助かったといわれている1)。
1961年にウォルフが亡くなると,プラムは彼の後を継いでニューヨークのコーネル大学医学センターの神経学部長となった。コーネル大学に移ってからも昏睡についての研究を続けるとともに,脳血流やてんかんについても研究の枠を拡げ,300ほどの研究論文を書いている。閉じ込め症候群(locked-in syndrome;後述)や,ジェネット(Bryan Jennett;1926-2008)と1972年に報告した遷延性植物状態(persistent vegetative state)という用語をつくり出したことでも有名である2)。
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