書評
「神経症状の診かた・考えかた General Neurologyのすすめ」—福武敏夫●著
河村 満
1,2
1昭和大学・神経内科学
2昭和大学附属東病院
pp.1278
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200028
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福武敏夫先生ご執筆の『神経症状の診かた・考えかた——General Neurologyのすすめ』が出版されました。福武先生でなくては書くことができないユニークな内容です。神経内科医であれば初心者から上級医まで,広い範囲の先生方に太鼓判を押してお薦めできます。一般内科の先生方や,リハビリテーション医,メディカル・スタッフにも有益な本であると思います。本来難しいことがわかりやすく表現されているのがこの本の最も大きな特徴です。
全体は3つの部分から構成されています。すなわち,第Ⅰ編「日常診療で遭遇する患者」,第Ⅱ編「緊急処置が必要な患者」,第Ⅲ編「神経診察のポイントと画像診断のピットフォール」からなっており,第Ⅰ編の第7章はなんと「『奇妙』な症状」とされています。その前の第6章は,神経内科医があまり得意ではない「精神症状,高次脳機能障害」です。第Ⅰ編の第1章・2章・3章が,「頭痛」「めまい」「しびれ」で,いわゆるコモン・ディジーズであり,この本では奇妙な症状もコモンな病態も同等に扱われて,平等に並んでいるのです。第Ⅱ編の第3章は「急性球麻痺」そして第4章が「急性四肢麻痺」であり,その組み立ての特異さが際立っています。さらに,それぞれの章に多くの具体的症例が,病歴・診察内容・検査や診断の過程とともに掲載されていて,わかりやすい読み物をめざして執筆された著者の気持ちが伝わってきます。
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