書評
福武敏夫 著—神経症状の診かた・考えかた—General Neurologyのすすめ
岩田 充永
1
1藤田保健衛生大学・救急総合内科
pp.906
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200013
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私はこれまで,walk-inから救急車までいろいろな経路でERを受診した方の救急診療を研修医とともに行ってきました。神経疾患の比率としては脳血管障害,つまり画像で“答え合わせ”ができる疾患に非常に多く遭遇します。救急医を志した当初は,時間があるかぎり自分で診察して,病歴をとって,「この部位に病変があるのかな」と考えてから画像を撮り,神経内科医を呼んだときに,自分が行った診察と彼らがとりたい所見とがどう違うのかを見ながら勉強するように,心がけてきたつもりです。
しかし,神経内科医によっても所見のとり方が微妙に異なっていたり,神経内科の先生に笑われないように勉強しようと思って本を買っても,まるで所見のカタログではないかと思うくらいたくさんの所見が載っていて,「神経診察を勉強するのも難しいものだなあ……」と途方に暮れ,いつしか「患者多数でER混雑」を言い訳に,ついつい「画像検査を行って,必要があれば髄液検査を行って…,(結果がどうであっても)神経内科医に相談して……」という流れ作業のような診療になってきたことに気付きます。
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